東京都立高校 2020入学者選抜問題(進学指導重点校・共通問題)分析
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東京都立高校 2020入学者選抜問題(進学指導重点校・共通問題)分析

英語

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総評
共通問題は、形式・内容ともに例年通りでした。また、リスニング問題にも大きな変化はありませんでした。日比谷は2020年も、重点校の中で特に英作文が重視された問題構成でした。大問4では2019年同様、イラストを用いた問題が出され、2020年のテーマは「自動翻訳機」でした。西は長文中の空所に適語を補う問題が減り、分析力を要する難度の高い選択問題が増えました。3題の長文で構成されているためスピーディーに問題を解いていく必要がある点では2019年と変わりません。国立は近年出題が続く、難度の高い理数系の題材が扱われ、対話文中で説明された法則をその場で理解し、活用して解く力が求められました。八王子東はスマートフォンの弊害について自分の意見を書く英作文が出され、身近な題材を用いて記述する力が問われました。戸山は大問2では図、大問3では地図と本文の内容を照らし合わせ、答えを導き出す問題が出されましたが、まれに見る難問でした。青山は本文の流れに合うように文を並べかえる問題、本文の内容に一致する文を選択する問題など、文脈の理解度を測る問題が難しく、そこで差がついたと思われます。立川は与えられた図表と会話の内容から、正しく情報を読み取り解答する力が求められました。

全体として、思考力・分析力を試される問題が多く、その理解をイラストや図表の読み取り、英作文といったさまざまな角度から問う学校が増えてきていると言えます。

出題分析表

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数学

数学

総評
共通問題は形式・内容ともに大きな変更がなく、難度も例年通りでした。日比谷は、図が不正確な問題もあり、条件の正確な把握と応用力が求められました。西は、大問4で特有の出題があり、この問題にかける時間を残すためにはほかの標準問題を手早く解く必要がありました。国立は、各小問の難度や必要な計算量の差が大きく、解くべき問題の選択眼とスピードが要求されました。八王子東は、極端な難問はなく、確かな基礎力が身についているかどうか、それをミスなく発揮できるかどうかが問われました。戸山は、条件の整理や計算が複雑な問題が多く、高い思考力と処理能力の両立が求められました。青山は、解答を得るまでに必要な手順が多く、注意深く解き進める必要がありました。立川は、選ぶ解法によって計算量が大きく異なる問題もあり、正確性に加えてさまざまな解法を知っていることも求められました。また、すべての高校において、小問集合は確実に得点をしたいところです。類題演習を通して、処理能力を高めておくことが重要です。

出題分析表

数学表

国語

国語

総評
共通問題は、解答根拠が明確に示された問題が多く、速読と精読のメリハリをつけて読解できたかどうかがポイントでした。日比谷は、2019年に比べて文章は読みやすくなったものの、総じて記号選択の難度が高く、得点に差がつきやすい出題でした。西は、2019年より記号選択で迷う部分は減少したものの、説明的文章はテーマが抽象的で高難度の出題でした。国立は、文学的文章が読みやすかったので、この大問を手際よく処理できたかどうかが得点の鍵になったと思われます。八王子東は、説明的文章における記述量が多かったため、文学的文章や古文を含む文章を手早く処理することが求められました。戸山は、文学的文章が誤読を誘う内容であることに加え、作文では文章内容および複数の意見をふまえる必要があり、全体的に高難度でした。青山は、説明的文章で言語に関する概念を理解するのが難しく、提示された複数の図表を落ち着いて読み解く思考力が求められました。立川は、説明的文章で抽象度の高いテーマが扱われたことに加え、古文を含む文章でも慎重な読解が必要なため、時間配分が難しい構成でした。

出題分析表

国語表

理科

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①小問集合(物理、化学、生物、地学)
内容は例年通り、物理、化学、生物、地学の4分野から基本的な知識を確認する問題で、設問数は7問から5問に減少しました。ミスを避けたい出題でした。
②小問集合(物理、化学、生物、地学)
例年通り、レポートを読んで、その内容に関する設問に答える形式でした。近年、レポートの内容とあまり関係なく正解できる問題が続いていましたが、2020年は文章の内容を理解したうえで考察する設問が目立ちました。
③天体(地学)
太陽の動きや高度に関する問題で、一部、東京都立校の入試としてはやや難度が高い設問が見られました。天体の単元では、2014年にもやや難度が高い出題が見られました。基本事項に対する理解の深さとともに、さまざまな問題に取り組んだ経験によって得点差がついたと考えられます。
④人体(生物)
消化酵素に関する問題で、2013年に東京都立校で出された問題と観点が似ていて、解いたことがあった受検生は対処しやすかったことでしょう。大問3に続いて記述問題が出され、記述問題の数や記述の長さは2015年以前の水準に戻りました。
⑤物質の特徴、イオン(化学)
物質の特徴とイオンに関する知識問題と、溶解度の計算問題でした。比較的取り組みやすく、ミスを最小限にとどめたい内容でした。
⑥電流(物理)
電流による発熱に関する問題で、実験結果から必要な情報を抽出しつつ、注意深く解き進める必要がありました。

出題分析表

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社会

社会

①小問集合
地理分野は写真と地形図の組み合わせを判断するもの、歴史分野は文化財の説明文からその所在地を地図上で特定するもの、公民分野は説明文と用語の組み合わせを判断するものが出題されました。いずれも例年通りの傾向でした。
②世界地理
説明文と統計資料を検討して解く傾向は例年通りでした。アメリカ合衆国の都市を選ぶ問題は、与えられた文から都市を特定したうえで、その都市の気温と降水量のグラフを選ぶもので、解答となる都市以外のグラフも比較・検討しなければならない難度の高いものでした。
③日本地理
地形図の問題は標高や実際の距離の算出など、過去の東京都立校の入試問題ではあまり出題されてこなかった点が問われましたが、標準的な知識で対応できるものでした。
④歴史
2018年にも出された史料を読み取って答える問題が出されました。特定の元号と結びついた出来事が、江戸時代のいつ頃起こったことなのかを正確に理解していなければならない難度の高い問題でした。
⑤公民
日本の内閣とアメリカの大統領の権限について、その違いを答える問題は、時事に関心を持ち、教科書の内容を深く掘り下げて学習しなければ得点できない、難度の高い問題でした。
⑥総合
第二次世界大戦後の国際社会について、例年の傾向を踏襲した出題でした。問題文やそれぞれの選択肢を注意深く読み取り、キーワードを抜粋して国名や年代を判断していければ解答できるものでした。

出題分析表

社会表


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