開成高校 2021年出題傾向リサーチ
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開成高校 2021年出題傾向リサーチ

英語

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①物語文の読解(約660語):小問数17
心優しき熊が、身寄りのない赤ちゃん熊を育てるという物語文でした。内容理解の選択問題が中心ですが、下線部の内容説明をする記述問題や、英文和訳も出されています。また、代名詞she(her) が誰を指すかを選ぶ問題が8つ出されました。話の展開によって生まれる、親熊の心の葛藤を読み取れたかどうかが鍵でした。
②説明文の読解(約620語):小問数10
アインシュタインの相対性理論によって提唱された「時間の遅れ」がテーマの説明文でした。単語を並べかえ、科学的思考の本質を説明する文を作る問1、昔の哲学者が想像した地球の姿を空所に適語を補って答える問2、宇宙空間の事象を身近なものに置きかえて表した文を選ぶ問6など、科学的な見識と、英文の内容をイメージする力が必要となった大問でした。
③共通語補充:小問数7
同じつづりで異なる意味を持つ単語(多義語)の知識を問う形式でした。一つの語源からさまざまな品詞や意味に派生した単語が出題され、高度な語彙知識が問われました。
④誤文選択・適語選択・同意文完成:小問数11
Part A~Cの3つに分かれ、さまざまな文法知識が問われました。難度はおおむね標準レベルですが、応用範囲の知識が求められるものもありました。
⑤リスニング問題:小問数11
Part A~Cの3つに分かれています。B は表の空欄に名詞や数字を補う形式でした。C は生物系の長文題材としてそのまま出されるような難しい内容で、放送開始前に指示文や選択肢からキーワードを読み取っておくことが必要でした。

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数学

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①二次関数
二次関数と平行線、線分比を活用する問題でした。開成高の受験生であれば類題を解いたことがあったと思われる設定です。問題の読み違えや計算ミスに注意しながら、確実に正解したい問題でした。
②素因数分解と約数
小数で表したときにちょうど小数第3位で終わる分数について考察する問題でした。(1) では考え方が問題文に示唆されていますが、時間がかかってしまった受験生も少なくなかったと思われます。(2) は穴埋め式の誘導問題になっていて、粘り強く解き進めたいところです。
③球の並べ方
3色の球を並べていく場合の数に関する問題でした。(1) から(3) までは並べる数が少なく、並べ方が指定されていたので、問題をしっかり読み、確実に正解していきたいところです。(4)(5) については、いくつかの解法が想定されます。前の設問をヒントにすることで、比較的短時間で対応できますが、容易ではなかったと思われます。どのような解法でも(4) まではできるだけ正解したいところです。
④円錐の切断
円錐を底面に対して斜めになる平面で切断した断面について、立面図・平面図を活用して考察する問題でした。(2) は(1) を正解できれば条件を満たす立式はそれほど難しくありませんが、その(1) で解法の糸口が見えずに考えこんでしまった受験生は少なくなかったと思われます。

数学


国語

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①鈴木大拙の文章/ウスビ・サコの文章
「自由」に関して見解の異なる2つの文章を読んで、問いに答えるという形式でした。各文章は短く、近年の大問1と比しても読みやすい内容だったと言えます。開成高では、論説文・小説文・古文からなる3題構成での出題が続いていましたが、2021 年は論説文と古文の2題構成になりました。抜き出しと漢字以外はすべて記述形式のため、例年通り時間内に大意を素早く理解する力と、端的に解答をまとめ上げる力とが受験生には求められています。記述に字数制限が設けられたのは10 年ぶりでした。また、近年では見られなかった、2つの文章の論点を整理する問題、さらに異なる立場から相反する意見を述べる問題が出されました。3問出された漢字の書き取りは、意味に気をつければどれも平易なもので、失点は避けたいところでした。
②『御伽草子』
現代文同様に古文でも出題傾向に変化が見られました。「一寸法師」のストーリーのうち異なる3つの場面がそれぞれ文章A・B・Cとして提示されています。例年の古文より文章量が多く、時間を意識して解答していく必要がありました。ただし、冒頭にあらすじがあり、文法事項についての注釈も豊富であったこと、また、話自体を知っている受験生が多かったことなどから、高得点を狙うことも十分に可能な内容だったと言えます。空欄補充形式の記述は近年の開成高であまり見られなかった設問ですが、動揺せずに要点をまとめていくことが大切でした。記述が4問あり、例年よりも古文にかかる時間が長かったと予想できますが、小説文の出題がなくなった分、全体としては時間的に余裕の持てる構成だったと言えます。

国語

理科

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①仕事、運動とエネルギー(物理)
前半は仕事の原理に関する典型的な計算問題で、取りこぼしを避けたい内容でした。後半は運動とエネルギーの実験に関する問題でした。グラフを作図する問題では考慮すべき条件が多く、高度な思考力が求められました。類題を解いた経験があると、部分的に解きやすかったと思われます。
②天気、地質(地学)
前半は温帯低気圧、露点に関して、知識を元に考察していく問題でした。基本事項が理解できていて落ち着いて対処できれば、得点しやすい内容でした。後半は地層について、条件を読んで考察していく問題でした。条件の文章をしっかり読み解いたうえで、見慣れない題材の状況を想像する力が求められました。得点差がついたと思われます。
③化学変化(化学)
塩酸と炭酸カルシウムの反応に関して、基本的な知識を確認する問題が中心で、取りこぼしを最小限にとどめたい内容でした。問5のみ、高度な知識を求められる記述問題でした。ほかの難関校では何度か出題されている内容なので、類題を解いたことがある受験生は有利でしょう。
④植物、動物、細胞(生物)
主に植物、動物の特徴や、細胞の観察についての知識を確認する問題でした。基礎的な知識を確認する問題に加えて、基礎知識と与えられた条件から推測する問題、高度な知識が求められる問題と、知識量を幅広く確認する内容でした。特に、問6の記述問題では発展的な知識が求められ、問題文から推測して答える受験生が多かったものと思われます。

社会

社会

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①歴史総合
世紀単位で歴史について書かれた複数の文章をテーマとした出題でした。ある「世紀」が何世紀の出来事かを判断する問題は、一部ミスしやすいものもありましたが、文章中に多くのヒントがあったため難度は高くありません。歴史的事象の内容を正誤形式で判断する問題は、前述した歴史的事象が起こった時期を判断するものに比べると難度が高めだったものの、全体を通じて受験生にとって取り組みやすく、得点源としたい大問でした。
②地理総合
世界地理・日本地理に関する総合問題でした。世界地理は大州の境界や地域連合、環境問題など過去に出題されたものが多く見られ、過去の入試問題を演習した受験生には得点しやすいものでした。一方で日本地理は、多くの受験生が初めて目にする地図や統計を用いたものが出題されていたことから、冷静に対応する必要がありました。
③公民総合
近年の世界および日本の動きに関する問題でした。冷戦後から現在に至る世界情勢の流れを追う出題は開成高の入試では頻出で、世界で活躍する人物やプライマリー・バランスなどの経済用語の理解を確認するといった、時事に対する関心が問われるものも多くありました。地方自治に関する問題は、学習が手薄になりがちな分野からのものや難問もあり、ある程度出題を予想して対策をとってきた受験生であっても得点するのが難しいものでした。

社会


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