東京都立高校 2017年入学者選抜問題(共通問題)分析
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東京都立高校 2017年入学者選抜問題(共通問題)分析

英語

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①リスニング問題:小問数5
問題Aと問題Bに分かれています。問題Aは例年通り、男性・女性による3つの短い対話文で、質問が1つずつあり、適切な英文を選ぶ形式でした。問題Bは例年、2問とも読まれた質問に対して英語で記述する形式でしたが、そのうち1問が適切な英文を選ぶ形式に変わりました。
②資料の読み取り(約465語):小問数4
昨年より総語数は増えましたが、形式は例年通りでした。設問1と設問2は図表をともなう対話文でした。それぞれ2か所の空所にあてはまる語句の組み合わせを選ぶもので、平易な問題でした。設問3では160語程度のEメールの内容に関する選択問題と、そのメールに返事を送る英文記述が出されました。英文記述は与えられた条件に従い、英文を3つ書くもので、最も高い配点です。この英作文は高得点を狙いたい設問でした。
③対話文の読解(約400語):小問数7
3人の日本人高校生と、1人のロンドンからの留学生が、「役割」について語り合う内容でした。本文中にある下線部の詳細が多く問われました。問7は英文の空所に入る語句を選ぶ形式で、昨年は日記でしたが、今年は友人に送ったEメールでした。総語数は昨年より減りましたが、問題の難度は昨年並みでした。
④物語文の読解(約640語):小問数7
学校で英語クラブに所属する高校生が、留学生の歓迎パーティーを開いた際に持ち寄った手作りのお菓子を通じて、異文化理解の重要性を学んだ物語文でした。設問のすべてが内容に関するものであり、話の流れや登場人物の感情を詳しく把握する必要がありました。本文の流れに沿って4つの英文を並べかえる問2は、選択形式から順番をすべて答える形式になったため、難度が上がりました。

数学

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①小問集合
問1から問6は計算問題、問7は二次関数の変域、問8はさいころの確率、問9は作図と全体的に例年と同様の構成でした。すべて基本問題なので、ミスなく正解したいところです。
②文章題
「生徒が作った問題」についての文章題で、大問1と同様に例年の傾向を踏襲しています。問題文が長いことが特徴ですが、問1は規則性の利用、問2は文字を用いた基本的な計算で問題なく正解できたと思われます。
③関数
一次関数とそれによって作られる三角形の面積についての出題でした。問1は基本問題です。問2は三角形の面積比から線分比の関係に注目する必要がありました。解法によっては計算にやや手間がかかるので、より良い解き方を選択できたかどうかがポイントでした。
④円
長方形の内部に接する半円に関する出題でした。問1は中心角と円周角の関係に気づけば正解できたと思われます。問2は直角三角形の相似に着目する問題で、証明問題を含め多少時間がかかった受検生もいたかもしれません。⑤空間図形
三角すい内部の線分の長さ、立体の体積についての出題でした。問1は求める線分が含まれている平面を把握できたかどうかがポイントでした。問2は求める立体の体積を直接計算するか、もとの三角すいとの体積比を利用して解くことができますが、難度が高く正解にたどり着くのが厳しかった受検生も多かったと思われます。

国語

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①漢字の読み取り
今年の出題レベルは例年通り標準的なものでした。ここでの失点は防ぎたいところです。
②漢字の書き取り
この大問の出題レベルも例年通り標準的なものでした。同音異義語との混同を避けるために例文をきちんと読むことが大切です。
③あさのあつこ『一年四組の窓から』
将来の夢を抱いた主人公の成長と彼を取り巻く人々とのやりとりを描いた小説文でした。主人公が中学生であること、会話文や主人公の心情描写が多いことから、受検生にとって読みやすい文章だと言えます。問いはすべて記号選択で、一昨年まで頻出だった記述問題は今年も出ませんでした。しかし、行動や比喩表現から登場人物の心情を読み取らせるという問いの傾向に変化はありません。
④原田信男『日本人はなにを食べてきたか』
食生活史をめぐる現状と今後の可能性について述べた論説文でした。記号選択はいずれも、傍線部の周辺を精読したうえで選択肢を比較検討すれば解答しやすいものでした。制限字数200字以内の作文は、この文章をテーマにして自分の意見を発表するときに話す言葉を書くというものでした。文章の主題をふまえ、具体例を挙げて自分の意見を述べる必要があります。作文に十分な時間を確保するために、いかに素早く読解するかがポイントでした。
⑤ 森澄雄・廣田二郎『芭蕉と現代』/『芭蕉全集』
松尾芭蕉の著名な句についての対談と、その句が成立した過程について述べた古文という二つの文章が出題されました。古文には現代語訳が付されているため、難度の高い古文の知識は求められていませんでしたが、歴史的仮名遣いに関する問題が昨年に引き続き出されました。問いはすべて記号選択で、ここでもやはり傍線部周辺の精読が求められました。

理科

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①小問集合(物理、化学、生物、地学)
物理、化学、地学から2問ずつ、生物から1問の計7問で、例年より1問多くなっていました。基礎的な典型問題が中心ですが、問5は考察力が必要な問題でした。
②小問集合(物理、化学、生物、地学)
レポートの内容と、基本的な知識を組み合わせて解く問題です。例年よりも典型的な問題が多く、解きやすくなっていました。
③天気(地学)
問題文や選択肢の内容を把握し、気象データや天気図から必要な情報を読み取り、慎重に判断する力が求められました。問3は、選択肢の図をよく見比べ、注意深く対応する必要があります。
④人体(生物)
消化に関する実験の結果からわかることや、消化に関する知識が問われました。問4は、仮説を検証する実験に関する問題で、近年の公立高入試によく見られる形式であり、考察力が求められました。
⑤化学変化(化学)
化学変化に関する基本的な知識を用いて解く問題が中心でした。問3は、今年の入試問題では唯一の記述問題でしたが、典型的なものであり、書きやすい内容でした。
⑥運動とエネルギー(物理)
物体の運動に関する問題で解きやすいものが目立ちました。特に問3は、過去の入試問題と似ていたため、東京都立校の対策をしてきた受検生には解きやすかったと思われます。

社会

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①小問集合
地形図と写真の組合せは頻出ですが、今年は地図記号の知識を問うものではなく、写真と文章、観光地図と地形図を照らし合わせて移動経路を検討する必要がありました。歴史と公民の小問は基礎的なものでした。
②世界地理
アメリカやブラジルなどに混ざって、ナミビアやモーリタニアなど、中学生になじみのない国も出題されていました。主要国に関する基礎知識と、与えられた地図や資料・文章の意味を題意に沿って正確に理解できるかどうかが試されるものでした。
③日本地理
与えられた文章や資料を題意に沿って注意深く見る必要がありました。論述問題については、設問に「何について」「どのようなことに着目して」答えるかが明示してあるため、その誘導に従って資料の意味を文章化できるかどうかがポイントでした。
④歴史
キーワードから時代を特定するものが中心で、元禄文化の時期を問うものは過去に類似した出題がありました。また、与えられたグラフをその場で読み解く問題は、歴史分野としては新傾向のもので、対応力が試されました。
⑤公民
基本的人権を憲法の条文から選択するものは例年通りでした。1997年から2015年までの経済状況の推移を選択する問題は詳細な知識を試すものではなく、グラフと選択肢を照らし合わせて検討する読解力を試すものでした。
⑥総合
経済成長に関する文から国を判断する問題は、世界史の知識が備わっていなければ解答できない珍しいタイプの出題でした。論述は、資料の意図を読み取ることは容易であるため、それを適切な長さでまとめる記述力がポイントとなりました。

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