【もっと知りたいSDGs】第3回「ジェンダー平等」と「公衆衛生」の問題
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【もっと知りたいSDGs】第3回「ジェンダー平等」と「公衆衛生」の問題

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持続可能でより良い世界を目指すために、2015年9月の国連総会で採択されたSDGs(Sustainable Development Goals)。そこには、2030年までに達成すべき17の大きな目標が掲げられています。「もっと知りたいSDGs」では、複数回にわたってそれぞれの目標を詳しく紹介していきます。

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今回は「ジェンダー平等」と「公衆衛生」の問題を取り上げます。なぜ、この二つの克服が大きな目標とされるのでしょうか。世界の実情を概観してその解決策を考えてみます。

目標5「ジェンダー平等を実現しよう」

先進国で最低ランクの日本の現状

ジェンダー(gender)とは、生物的な性別(sex)に対し、社会的・文化的に意味付けられた男女の差異のことです。2021年3月、世界経済フォーラム(WEF)が各国の男女格差を示す「ジェンダー・ギャップ指数2021」を発表しました。これは「経済」「政治」「教育」「健康」の4分野のデータから成り、日本の総合スコアは156カ国中120位と、先進国では最低レベルとなっています。

そもそも、男女格差の是正が必要な理由は何でしょうか。女性は世界人口の約半分を占めます。その女性の基本的人権が侵害されることは、社会の進歩・前進を阻みます。国連広報センターの発表によると、2014年の時点で134カ国が憲法で男女平等を掲げていますが、この規定すらない国は52カ国にも上ります。

思春期の年齢になると、ジェンダー格差はさらに拡大します。18歳未満の結婚に相当する状態を「児童婚」と呼びますが、これは女児に圧倒的に多く見られます。同じく国連広報センター発表の数字によると、全世界で1日当たり約3万7000人、年間で約1500万人が幼くして結婚しています。早婚は女児の教育機会にも影響を及ぼし、開発途上国の約3分の1は、初等教育で男女平等を達成できていないといわれています。

女性の社会進出にも課題

女性の社会進出についてはどうでしょうか。日本では結婚後の出産や育児で離職する女性の割合が高く、再就職後に非正規雇用となる傾向があります。2015年に成立した「女性活躍推進法」では、常時雇用する労働者が301人以上(※)の事業主に対し、女性活躍のための行動計画策定を義務づけています。

内閣府の調査によると、管理職の立場にある女性の割合は2017年で13.2%。2003年に政府が掲げた「指導的地位に占める女性の割合を、2020年までに少なくとも30%にする」という数値目標は達成されていません。内閣府男女共同参画局では、ホームページ内に女性応援ポータルサイトを設けたり、理工系に進学する女子生徒のための情報発信を行ったりしています。男女格差を解消するためには、男女を問わず、こうした情報に積極的に目を通すことが大切です。

※2019年の法改正により、101人以上の事業主へと対象を拡大

内閣府男女共同参画局のHPでは、「女性応援ポータルサイト」や、女子生徒のための「理工チャレンジ」などのサイトが閲覧できます。

目標6「安全な水とトイレを世界中に」

約18億人が不衛生な水を飲用

第6の目標として掲げられているのは、安全な水と衛生インフラの充実です。上下水道の整った日本では実感がないかもしれませんが、世界では依然として数十億人が水やトイレなどを安全に利用できていません。国連広報センターによると、約18億人の飲料水源が今も糞便に汚染され、トイレなどの衛生施設を利用できない人は約24億人を数えます。下水道がない場所では生活排水が未処理のまま川や海に垂れ流されて汚染を引き起こします。こうした不衛生な水や排水は特に子どもに大きな影響を及ぼし、下痢性疾患などで命を失う子どもは1日当たり800人を超えます。また、水不足に悩む人は世界人口の40%を超え、この割合は今後もさらに増えると予測されています。

各国政府の責任を問う姿勢が大切

水や衛生問題の是正には、どれだけのコストがかかるのでしょうか。世界銀行グループやユニセフ、WHO(世界保健機関)による共同調査では、基本的な水道・衛生サービスを広く全世界に普及させるには、2015年から2030年にかけて毎年284億米ドルが必要になると報告されています。これは調査対象となった140カ国のGDP全体の0・1%に相当します。

一方、水や衛生インフラ設備に投資しないことによる経済的な悪影響は、サハラ以南アフリカ全体のGDPの4.3%に上ります。世界銀行は、衛生施設の不備に伴う経済的な悪影響により、インドのGDPの6.4%が失われていると試算しています。

課題の解決に向け、「世界水の日」(3月22日)や「世界トイレデー」(11月19日)のキャンペーンに参加してみてはどうでしょうか。私たち一人一人に、各国政府の責任を問うていくという強い姿勢が求められています。


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※この記事は2022年2月1日に刊行されたSAPIX中学部の受験情報誌『スクエア』211号に掲載された記事のnote版です。

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