東京都立高校 2021入学者選抜問題 分析(共通問題)
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東京都立高校 2021入学者選抜問題 分析(共通問題)

英語

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①リスニング問題:小問数5
例年通り、問題Aと問題Bの2つに分かれていました。問題Aは設問ごとに対話とそれに関する質問を聞き、適切なものを選択肢から答える形式です。問題Bはある中学校へ着任した外国人の英語教師による生徒に向けた自己紹介で、その内容に関する選択問題と英文記述問題が出されました。
②図表の読み取り(約450語):小問数4
1と2は、日本人の高校生と来日中の留学生との対話文で、3はその留学生が送ったEメールの読解でした。2020年と同様に対話文には図表が含まれていましたが、語数は2020年よりも80語程度減りました。形式は1と2は本文中の空所を補う単語を選ぶ問題、3はEメールの内容と一致する英文を記号で選ぶ問題と、Eメールへの返信内容の一部を、条件に従って書く英作文でした。
③対話文の読解(約555語):小問数7
高校生とアメリカ出身の留学生による、同じ内容でも言い表し方が違うことの難しさを、英語と日本語のそれぞれで例を挙げながら話す対話文でした。形式は例年通りで、問1~問5は本文中にある下線部の内容に関する選択問題でした。問6は本文の内容に合うように英文中の空所に補う語を選ぶ問題で、問7は日記の一部に入る適切な語の組み合わせを選ぶものでした。
④物語文の読解(約695語):小問数7
2020年より50語程度少ない英文で、高校2年生の主人公が、親友2人とともにボランティア活動に参加し、その活動を経て成長していく様子を描いた物語文でした。2021年もすべての設問が本文の内容に関するものでした。問2は4つの英文を本文の流れに合わせて並べかえるものでしたが、登場する人物の行動と発言に注意すれば容易に解答できたと思われます。

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数学

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①小問集合
〔問1〕から〔問6〕までは計算問題、〔問7〕は二次関数の変域、〔問8〕は確率、〔問9〕は作図の合計9問からなる小問集合でした。いずれも基本問題なので、確実に正解したい大問です。
②文章題(文字式の証明)
例年通り「先生と生徒が作った問題」で、模様の描かれた正方形のタイルを並べて、面積について考察する文章題でした。〔問2〕の証明も取り組みやすい問題なので、手早く処理したいところです。
③一次関数
座標平面上の2直線についての問題でした。〔問1〕〔問2〕は直線の式についての基本問題です。〔問3〕は等積変形の問題で、方針は立てやすいものの、計算が多少煩雑になるため丁寧な立式と計算が必要でした。
④円
長方形の外接円についての問題でした。〔問1〕は角度の基本問題、〔問2〕①は二等辺三角形の証明問題で等しい角に注目することがポイントでした。②は複数の相似に注目する必要があるため、やや難度が高く正解できた受検生は多くなかったと思われます。
⑤空間図形
三角柱についての問題でした。〔問1〕はねじれの位置にある辺の本数を求める問題で、注意深く調べて正解したいところです。〔問2〕は三角柱の内部にできる立体の体積を求める問題でした。例年と比べると立体の把握がしやすいため、対応しやすかったと思われます。

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国語

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①漢字の読み取り
例年通り、漢字の読み取りが5問出されました。中3で学習する漢字が出題範囲から除外されたこともあり、基礎レベルの語句が問われています。
②漢字の書き取り
例年通り、漢字の書き取りが5問出されました。日常生活の中でもよく目にするような語句が問われています。
③伊吹有喜『雲を紡ぐ』
祖父のもとで織物制作を学ぶ高校生を主人公とした小説文からの出題です。2020年に比べて文章が長くなりましたが、主人公の視点に立って描かれているため、読みにくさはありません。記号選択5問からなる構成で、登場人物の心情と、文章表現の効果について問われています。あらすじから人間関係を正確に掴んだうえで解答する必要がありました。
④堀部安嗣『住まいの基本を考える』
「懐かしさ」のあり方をテーマとする論説文からの出題です。記号選択4問と条件作文1問の計5問からなる構成でした。条件作文の制限字数は例年通り200字以内で、適切な具体例を挙げながら自分の意見をまとめるという内容です。いずれの設問も文章内容の正確な理解が必要になるため、丁寧に解き進めていくことが求められました。
⑤蜂飼耳・駒井稔の対談
『無名抄』

鴨長明とその著作『方丈記』に関する対談の記録を読んで、5つの設問に答えるという内容でした。『無名抄』の原文が引用されていますが、現代語訳が付されているため、特別な古典知識は必要ありません。対談内容の全体を広くとらえることがポイントでした。

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理科

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①小問集合(物理・化学・生物・地学)
物理、化学、生物、地学の各分野から、基本事項を確認する出題で、例年通りの傾向でした。設問数は5問から6問に増加しました。ミスを最小限に抑えたい内容です。
②小問集合(物理・化学・生物・地学)
形式は例年通りで、レポートの内容と知識や計算を組み合わせて解く問題でした。一方、近年の問題と比較して計算量がやや多くなっているため、解きにくいと感じた受検生もいたと思われます。
③天気(地学)
天気に関して、グラフや図を読み取って考える問題と、基本的な知識を確認する問題でした。典型的な問題が多いため、解きやすい内容だと言えます。
④植物(生物)
植物に関して、観察や実験の結果から考察する問題でした。公立校で頻出の問題で、学習量によって解きやすさに差が出たと考えられます。
⑤化学変化(化学)
化学実験について、実験の手順や関連する知識を確認する問題と、実験結果の数値を用いて計算する問題でした。近年の化学分野の大問と比較して計算量が多く、手間取った受検生もいたことでしょう。
⑥電流(物理)
電流と磁界に関する実験について考察する問題でした。前半は解きやすい典型的な内容を、後半はやや高度な内容を扱っていました。後半は、同様の実験に関する問題を解いたことがあり、実験装置についてある程度の知識をもっている受検生は有利だったことでしょう。

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社会

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①小問集合
例年は地理・歴史・公民の3分野から1問ずつの計3問が出されましたが、2021年は歴史が1問増えて計4問の構成でした。形式は地理・公民は例年通りで、歴史は2問ともに2019年以来の語句選択でしたが、いずれも得点しやすいものでした。
②世界地理
3問とも統計や文章が資料として与えられ、条件に合わせて当てはまる国やデータを選ぶ例年通りの問題でした。じゃがいもの生産量をヒントとして活用するものや偏西風をキーワードに国を選ぶものなどは、与えられた資料を丁寧に読み取らないと得点できないものでした。
③日本地理
統計や文章が資料として与えられ、条件に合わせて当てはまる都道府県を選ぶ問題と、地形図を資料とした記述問題という、難度・構成ともに例年通りのものでした。
④歴史
古代から中世および、近現代の出来事の年代を判断する問題に加えて、ここ数年で出題が定着した年表・地図・文章を照らし合わせて解く問題の、計4問から構成される例年通りの構成でした。
⑤公民
例年は小問4問構成ですが、2021年は大問1で1問増えた分、1問減って3問の構成でした。経済分野からの出題を軽減し、出題範囲削減に対する調整を行ったと推察できます。3問ともに政治分野からの出題で、難度も細かい内容までは踏み込まず、例年より易しいものでした。
⑥総合
地理・歴史・公民から各1問という問題構成でした。ここ数年で出題が定着した世界史の年代順並べ替えをはじめ、例年の傾向を踏襲していましたが、難度は例年よりやや易しめでした。

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