【もっと知りたいSDGs】第1回「貧困」と「飢餓」問題
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【もっと知りたいSDGs】第1回「貧困」と「飢餓」問題

持続可能でより良い世界を目指すために、2015年9月の国連総会で採択されたSDGs(Sustainable Development Goals)。そこには、2030年までに達成すべき17の大きな目標が掲げられています。「もっと知りたいSDGs」では、今回から複数回にわたってそれぞれの目標を詳しく紹介していきます。

最初に取り上げるのは「貧困」と「飢餓」の問題。なぜ今、この二つの克服が大きな目標とされるのでしょうか。世界の実情を概観してその解決策を考えてみます。

目標1「貧困をなくそう」


1日1.9米ドル未満で暮らす人々も


SDGsでは2030年までに、あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つことを目指しています。貧困の解決というと、経済的な貧しさを改善することを思い浮かべますが、それだけではなく、教育や医療などの基本的サービスの制約や社会的な差別などをなくし、人間らしい生活を送れるようにすることも含まれます。

ユニセフと世界銀行の2020年のデータによると、「極度の貧困」にある人は7億1000万人。このうち、3億5600万人が子どもです。これらの人々の大半は開発途上国、中でも紛争が多発し、政情の不安定なサブサハラ・アフリカ地域に集中していて、1日1.9米ドル(約200円)未満で暮らし、十分な食料や清潔な水を得られず、医療や教育も満足に受けられません。

貧困の問題は開発途上国だけでなく、先進国にも見られます。最低限の日常生活もままならないことを「絶対的貧困」と呼ぶのに対し、その国の国民所得の中央値の半分を下回る状態を「相対的貧困」と呼びますが、日本は約6人に1人が同状態にあるとされ、学費が用意できずに進学できないなど、格差を生み出す要因となっています。

フェアトレードを通した支援とは


貧困を解決するために私たちができることは、まず寄付でしょう。日本ユニセフ協会や日本赤十字社では、多様な形で募金活動を行っています。また、国際フェアトレード認証ラベルの製品を購入することも身近な支援の一つです。フェアトレードとは直訳すると「公平・公正な貿易」。先進国では、開発途上国で生産された日用品や食料品が驚くほどの低価格で販売されているケースがあります。その背景には劣悪な条件下で働かされる途上国の人々がいます。国際フェアトレード認証ラベルは社会的・環境的・経済的な面で一定の基準を満たした製品です。つまり、開発途上国のものを適正な価格で継続的に購入することにより、生産者や労働者の生活の改善と自立に貢献できるのです。

目標2「飢餓をゼロに」

世界人口の約1割が飢餓に苦しむ


SDGsでは目標2として、飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成し、持続可能な農業を促進することを掲げています。飢餓とは、十分な食べ物を得られずに栄養不足となり、健康を保つことができなくなった状態のこと。2019年の調査によると、世界では全人口の9.7%の人々が「深刻な食料不安(その日食べるものがない、明日以降の食べ物を得られるか分からない状態)」に苦しんでいます。

チャート

子どもが飢餓になると病気への抵抗力が弱くなり、命を落とすことも。また、飢餓状態の妊婦が出産した場合、無事に生まれたとしても、その子どもはすでに栄養不足で長く生きられないケースも少なくありません。飢餓で子どもたちが亡くなったり、成長が遅れたりすることは、その国の発展の遅れにもつながります。飢餓はSDGsの他の目標にも関連する重要な問題であり、世界中の人々が知恵とノウハウを出し合い、環境や生態系を守り、災害にも強く、将来にわたって食料を安定的に収穫できる農業の仕組みを作りだす必要があります。

食べられるのに捨てていないか?


飢餓問題に対して私たちができる取り組みの一つは、「食品ロス」を減らすことです。2017年の農林水産省・環境省の推計によると、日本の食品ロスは612万トン。これは2019年の国連WFP※による食糧援助量の総計約420万トンの1.5倍にも相当する数字で、日本人1人当たりが毎日ご飯茶碗1杯分の食品を捨てている計算です。この食品ロスは、「買いすぎ」「保存不良」「食べ残し」「過度な健康志向」「皮のむきすぎなどの過剰除去」が主因で、心掛け次第で減らせるものです。飢餓に苦しむ人々を救うために、今こそ「もったいない」精神を発揮し、食生活を見直してはいかがでしょうか。

※国際連合世界食糧計画(United Nations World Food Programme)の略


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※この記事は2021年10月1日に刊行されたSAPIX中学部の受験情報誌『スクエア』209号に掲載された記事のnote版です。

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