筑波大学附属高校 2021年出題傾向リサーチ
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筑波大学附属高校 2021年出題傾向リサーチ

英語

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①リスニング問題:小問数6
二人の人物の対話とそれについての質問を聞いて、その答えを選択肢から答える形式です。英文が読まれるスピードは標準的ですが、対話と質問は一度しか放送されないので注意が必要でした。
②物語文の読解(約895語):小問数11
若い男性と、山奥に住む老人とのやり取りを描いた物語文でした。問2では代名詞の指す内容が問われましたが、解答の根拠となる英文が抽象的な表現なので、それを具体化した選択肢を答えなければなりませんでした。問5は疑問文に対する適切な返答を選択する問題で、問われている内容と、下線部以降の展開を正確に読み解く必要があります。問9は毎年出題されている、適切な語を本文中から抜き出す形式ですが、物語の主題を把握しているかどうかが正答率や解答スピードに影響しました。
③物語文の読解(約1000語):小問数10
両親を失った少女と魔法使いの祖父の冒険を描いた物語文でした。例年通り1000 語に及ぶ長文の速読が求められていますが、2021 年は、日本語による記述問題が出されませんでした。全体として登場人物の心情理解に関する問題が多く出されました。問2の並べかえ英作文では話の流れを意識して主語と目的語を決定する必要がありました。問7と問10は空所に入る語句を本文中から抜き出す問題で、正解となる語句が空所から離れたところにあるので、物語の展開や人物の心情を正確に理解する力が求められました。
④和文英訳:小問数4
例年通り、対話文の一部を英語に直す問題でした。各文法単元における基本的な表現を使って作文できますが、会話調の日本文を適切な英語に変換できるかどうかがポイントでした。

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数学

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①規則性の利用
10×10 マスの表に規則的に文字を並べる問題でした。(1) は基本的で、正確に処理したい内容でした。(2) はやや手間がかかりますが、自然数という条件に注目することで、a の値までは正解したいところです。
②二次方程式の考察
二次方程式の解について、会話内の空欄を補充する問題でした。③イの空欄で悩んでしまう受検生がいたかもしれませんが、先の会話を読むことで対応できます。そのほかの場所はスムーズに処理したいところです。
③確率
円周上の点を結んでできる線分について考える確率の問題でした。(1) は手早く処理したいところです。(2) アは、文字を用いて確率を表すことができたかどうかがポイントでした。ここを突破できれば、イの方が対処はしやすいため、アが解けたかどうかで得点差がついたかもしれません。
④展開図
立体の展開図から、組み立てたときに重なる線分や頂点などを考える問題でした。見取り図と展開図を比較しながら丁寧に処理をし、ミスなく完答したいところです。
⑤内接円と傍接円
三角形の内接円と傍接円について、線分の長さや面積に注目する問題でした。(1)(2) は素早く正解したいところです。(3) も筑波大附高の受検生であれば、接する円と面積の関係は理解できているはずなので、その点に注目し最後まで解ききりたい問題でした。

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国語

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①畑村洋太郎『失敗学実践講義』
組織における事故や失敗が起こる原因について、人間の意識の働き方という観点から論じた文章からの出題です。例年同様、記述・記号選択・抜き出し・漢字の書き取りがバランスよく出されています。記述は字数制限のないものが2問、40 字以内のものが1問の計3問です。いずれも文中の根拠が明確で、書くべき内容は想像しやすい反面、その内容をコンパクトにまとめる必要がありました。記号選択は一部まぎらわしい選択肢が含まれていて、特に問2は文中の根拠も少なく解きづらいものでしたが、そのほかの設問は取りこぼさず正解したいところでした。抜き出しや漢字の書き取りも含め、全体的に極端な難問は少なく、標準的な難度の設問が並んでいます。高得点勝負になったことが予想されるため、1問ごとにしっかり時間をかけて、丁寧に得点を重ねたい大問でした。
②山本甲士『ひかりの魔女 にゅうめんの巻』
祖父の喫茶店を引き継いで営んでいる主人公が、特技の似顔絵を通じて訪れた客と交流する場面を描いた文章です。記述は30 字以内のものが2問です。セリフの続きを補う設問では、文中の場面を正確に把握することが求められました。傍線部の換言を求める設問は取り組みやすい難度でした。それ以外の設問はすべて記号選択です。大問1と同様に、それぞれ極端な難問ではないものの、ある程度時間をかけて検討しないと間違えてしまいかねない選択肢が一定数含まれていたので、注意が必要でした。例年通り、言葉の意味を答えるものが2問含まれていましたが、2021 年は取り組みやすい難度だったため、いずれも正解しておきたいところでした。

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理科

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①物質の特徴(化学)
水滴の形状について、説明文から状況を分析する問題でした。見慣れないテーマで、一部判断が分かれる問題もありますが、全体としては解きやすかったと思われます。
②生殖、植物(生物)
生殖についての基礎知識の問題が中心です。取りこぼしは避けたい大問です。
③小問集合(物理)
速さと温度については、確実に正解したい問題でした。力と光については、正確な理解が必要で得点差がついたと考えられます。
④地質(地学)
プレートに関する問題です。プレートの厚みや動く速さなど、やや発展的な知識が問われ、知識の量が得点差に結びついたと思われます。難しく感じた受検生も多かったと思われます。
⑤電流(物理)
熱量に関する標準レベルの大問でした。ミスは最小限に抑えたい内容ですが、理解度によっては大きな差がつく問題でした。
⑥天気(地学)
天気についての典型問題です。(1)は典型的な湿度計算、(2)(3)(4)は知識で解ける問題で、難度は低く、すべて正解したい大問でした。
⑦化学変化(化学)
化学変化についての問題です。(3)(4) の記述は、実験の状況を正確に分析する力が求められました。
⑧植物(生物)
植物の光合成と細胞に関する問題でした。取りこぼしは最小限に抑えたい大問でした。

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社会

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①世界地理
世界地図や統計資料を用いて、メルカトル図法・時差・各国の貿易・南アメリカ州の地誌について出題されました。いずれも過去の入試問題を演習してきた受検生であれば見慣れた内容が中心だったため、得点源となる大問でした。
②日本地理
2015 年以来の地形図の出題がない構成でした。人口増減やドラッグストアの売上高に関する問題は初見の資料を分析し、思考することが求められ、社会的背景と結びつけながら出題の意図を類推する必要があるものでした。
③日本史・世界史(古代~近世)
日本の人口推移をテーマに、古代から近世まで出題されました。提示された歴史上の出来事を任意に選択して説明する新傾向の記述問題は、歴史への多角的な視点が試される難度の高いものでした。
④日本史・世界史(近代~現代)
歴史上の資料を題材とした問題でした。例年通り受検生にとっては初見の資料もありましたが、各資料とその時代背景を問うものが中心で、難度は標準的なものでした。
⑤政治
ハンセン病の訴訟に関する記事を題材に、基本的人権や裁判について出題されました。標準的なものが中心で、多くの受検生にとって解答しやすい大問でした。
⑥経済
「満足度を高める選択」を題材とした問題でした。読解や計算を必要とし、その場の対応力が試される出題は例年通りでした。記号選択の問題がなかったことから、正しく語句を記述する必要がありました。

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