筑波大学附属駒場高校 2019年出題傾向リサーチ
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筑波大学附属駒場高校 2019年出題傾向リサーチ

英語

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①リスニング問題:小問数7
例年通り問1は短文の書き取りが2問で、問2は試合に負け続けていたサッカー部の少年を主人公にした物語文でした。物語の内容に関して、英語の質問に選択肢から選んで答える問題が1問、日本語で答える問題が4問の組み合わせでした。問2の放送は1回のみです。
②物語文の読解(約920 語):小問数12
父と同じ仕事をしたいと望む息子が主人公の物語でした。例年見られるような嘘や勘違いなどによる内容の複雑さはなく、文章としては読みやすかったと思われます。しかし、見慣れない表現の意味を文脈から推測して記述する問1や、省略を含む部分を並べかえる問5などは難問でした。また、記述問題では、本文中のある部分をそのまま和訳すればよいというものが少なかったため、書いた答案が正解かどうか自信を持てない受験生もいたことでしょう。
③物語文の読解(約615 語):小問数6
繁盛している私立探偵と、そこに仕事を依頼しに現れた男をめぐる物語で、例年の筑駒高と同様に少し複雑な内容でした。前後の登場人物の行動をヒントに省略されている部分を考えて英語を補う問2、複雑なストーリーの流れを40 字以内の日本語で簡潔にまとめることを求められた問4、問5は難問でした。
④自由英作文:小問数1
「ロボット犬と本物の犬のどちらがペットとして優れているか」について、2つの理由とともに意見を述べる問題でした。2017 年、2018 年に比べて、テーマ、条件ともに複雑さがなく、受験生にとっては取り組みやすい問題だったと言えます。

数学

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①二次関数
二次関数と直線に関する問題でした。例年と比べかなり解きやすく、最後の(3) まで正解したい問題でした。特に(2)(3) の格子点の数を求める問題は、高校入試では頻出のテーマであるため、素早く、正確に数えきることが求められました。
②六角柱と整数配置
六角柱を31 段に分け、それらの側面に奇数を表記し、その値や和について考える問題でした。(2) は意味が捉えにくかった受験生もいたかもしれませんが、(3) は確実に正解したい問題です。また、(3)(4)は題意の把握に少々時間が必要です。意図を正確に読み取り、必要な計算を手早く処理する対応力が問われました。
③正方形と正三角形
正方形の中に配置された2つの正三角形において、線分の長さを考える問題でした。(1)(2) は解きやすく、特に(2) は筑駒高の受験生なら一度は見たことがある構図のため、確実に正解したいところです。(3) は筑駒高らしい思考力を試す問題でしたが、試験時間内で解答するのは厳しかったのではないかと思われます。
④直方体と動点
直方体上の動点と、それを含む平面に関する問題でした。動点が3つあり、難しそうに見えますが落ち着いて考えれば対処は容易な設定です。(1)(3) は確実に正解したい問題で、(2) はやや捉えにくい設定でしたが、筑駒高の受験生なら確実に得点したい問題でした。

国語

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①坂井豊貴『多数決を疑う』
『社会契約論』で著名なフランスの思想家ルソーの考え方を紹介しながら、「共同体」について考察を加えた論説文でした。文章の概要は掴みやすいものの、抽象的な表現が多用されているので、正確に理解するためには高度な読解力が必要とされます。記述のみの設問構成で、論説文において記号選択や抜き出しが出されなかったのは5年ぶりです。字数制限のない記述が4問出されていますが、いずれも文中の表現を端的に説明する「記述力」の差が大きく出る内容でした。例年以上に、短時間で的確な解答を作成する力が求められています。
②宮城道雄『闇』
盲目の音楽家である筆者が、盲人であることについての感慨を述べた随筆文でした。筆者の心情を説明する記述が3問出されていますが、そのうちの2問は状況を理解できていれば比較的容易に解答できるものでした。表面的な内容の理解では解答が困難な残りの1問をうまく処理できたかどうかが得点を左右したと考えられます。また、2018年まで3年連続で出された「自分の考えを答える」問題は2019年はありませんでした。そのほかに漢字の書き取りが4問出されていますが、標準的な難度でした。
③『徒然草』
有名な随筆文からの出題です。文章はたった4行分で、ここ10年で最も短いものでした。ただ、短いからといって読解が容易なわけではなく、情報が少ないぶん誤読や失点につながりやすかったと言えます。特に、字数制限のない記述2問で得点差が生じたものと考えられます。そのほか、例年同様に歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに直す出題もありました。

理科

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①化学変化(化学)
実験結果を元に物質を推定する問題や、化学反応式を書く問題です。実験の内容は典型的なものがほとんどで、ミスが許されない大問です。
②中和(化学)
中和に関する計算問題です。1は基本、2は標準レベルの問題で、問われている内容は典型的なものですが、2は数値が細かく、計算ミスしやすいつくりになっていました。ここで差がつくと思われます。
③天体、岩石、天気(地学)
天体、岩石、天気に関する地学分野の小問集合です。基礎的な知識を確認する問題のみなので、ここでの失点は避けたいところです。
④遺伝(生物)
遺伝に関する文章を読んで、分析・考察する問題です。1は遺伝の仕組みについて、しっかり理解しているかどうかを確認する問題でした。2、3は高校入試ではあまり見られない内容からの出題だったため、注意深く対応する必要がありました。特に、3は高度な思考力・分析力が要求されました。また、4は問われている内容や条件設定が複雑で、難度が高くなっていました。
⑤光(物理)
前半は、誘導に従って、光の屈折角や反射角を図から読みとる問題です。計算の必要もなく、例年の物理の問題に比べて時間もかからず、解きやすくなっています。後半は、身近に起こる現象を題材にしたものです。普段、生活しているうえで起こる現象を、学習した内容を用いて考察する力が問われていました。

社会

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①地理総合問題
1960年代と2010年代とで世界の人口と日本の貿易相手国がどのように変化したかをテーマとする問題でした。人口増加の理由を論述する問題は、本質的な理解と制限字数内でまとめる記述力が試されましたが、全体的に見れば、各国の基本的な特徴が整理できていれば、表と照らし合わせながら解答を導けるものが大半でした。例年通りすべての大問の中で最も取り組みやすいものでした。
②歴史総合問題
時代劇とその経済効果を説明した文章に関する問題でした。全問が正誤を判断する形式のものでしたが、難度が高い年の入試問題に見られる「すべて」を選ぶ形式ではなく、選ぶ選択肢が「2つ」に限定されていたので、比較的取り組みやすい構成でした。求められる知識は高度なレベルではなかったものの、時代が適正かどうか、内容に誤りがないかどうか、細部にまで気を配りながら、一つ一つの選択肢を慎重に吟味していかなければならないものでした。この大問は、知識の正確さに加えて、リード文を読む読解力、素早い処理能力が総合的に求められる筑駒高らしいもので、受験生の実力差も明確に開いたと推測されます。
③3分野総合問題
2020 年に開催される東京オリンピックにちなんで、オリンピックの歴史や問題点を記した文を題材とした問題でした。前半は現在の国際政治やそこに至る冷戦の歴史などが問われていて、正確な知識が要求されていました。後半は文章を読み取り、与えられた題材から考察する力が重視されていて、知識量よりもその場の対応力が試されるものでした。

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