開成高等学校 2022年出題傾向リサーチ
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開成高等学校 2022年出題傾向リサーチ

高校受験 SAPIX中学部

英語

①物語文の読解(約610語):小問数9

朝目覚めるたびに「ある変化」が主人公に起こる物語です。この物語の特殊な設定を掴むには本文をある程度読み進める必要があり、苦労した受験生が多いと思われます。内容把握に関する選択問題が中心ですが、先述した特殊な設定の理解を求められる問1に加え、下線部の解釈と選択肢の吟味が難しい問2や問4、問9など、高い分析力が必要な問題が出されました。

②エッセイの読解(約560語):小問数10

セラピストの筆者による、「いい人」であろうと苦悩する女性の治療を描いたエッセイで、注釈のない高難度な語が多く使用されています。大問1と同様に英文和訳以外の記述問題はなく、2021年に続いて出された代名詞が指す人物を答える問2や、複数の空所にyesかnoのどちらが入るかを判断する問7など、文脈把握中心の出題です。

③同音異義語:小問数10

各組の英文の空所に同じ発音でつづりの異なる語を入れる問題です。同音異義語や多義語は開成高の入試では頻出で、(3)のような典型問題の枠に収まらない出題を含むのが特徴です。

④並べかえ英作文:小問数5

与えられた語に1語加えて並べかえ、英文を完成させる問題です。(1)~(3)は不足語を見抜くのに幅広い知識が必要な難問で、ここでの時間の使い方が全体の時間配分にも影響したと思われます。

⑤リスニング問題:小問数13

3部構成での出題です。図表問題を含むのは例年通りですが、2022年は数字や単語を書く問題はなく、すべて記号選択でした。約15分という長さと、非ネイティブのものと思われる発音も特徴です。

数学

①小問集合

(1)二次方程式と解の吟味、(2)経路に関する場合の数という問題構成でした。(1)の難度は高くありませんが、丁寧な吟味が求められました。(2)(ⅱ)については、緻密に注意深く考えていくことが必要で、求めた解答に自信がもてなかった受験生も多かったことでしょう。

②多項式の計算

2種類の操作によって、多項式の計算を進めていく問題でした。問題文が長く、一見難しそうに感じますが、その半分以上は操作についての丁寧な説明文です。多少煩雑な計算を要しますが、落ち着いて取り組みたい問題です。(1)(2)が正解できれば完答できたと思われます。

③立方体と正多面体

立方体の中に入れた正多面体について考えていく問題でした。(1)から丁寧に誘導がつけられていて、読み違いに注意しながら手早く処理を進めていきたいところです。数学が得意な受験生は完答を目指すことができる大問でした。

④3つの円

3つの円とそれらの交点を通る直線について考察する問題でした。(1)の証明は、端的に示せなかったとしても確実に処理しておきたいところです。(2)の図示は、指定された条件をふまえて上手く考えていきたい問題ですが、時間がかかった受験生も少なくなかったと思われます。

国語

①くどうれいん『氷柱の声』

東日本大震災と絵の創作とを関係づけることの是非について悩む主人公の胸中を描いた小説文からの出題です。2021年は論説文+古文の2題構成でしたが、2022年は小説文を加えた従来の3題構成に戻りました。設問はいずれも字数制限のない記述で、3問とも主人公の心情理解に関するものです。文章は例年よりやや長めですが、解答のポイントは明確なので、得点源にしやすい大問だったと言えます。

②内田樹『武道論』

武道修行の目的である「天下無敵」の意味について説明を加えた論説文からの出題です。字数制限のある記述2問が出されましたが、2021年が1問あたり30字程度だったのに対して、2022年はそれぞれ80字以上100字以内と長大化したため、論理の組み立て方にも十分注意を払う必要がありました。いずれも文中のキーワードである「天下無敵」の意味の理解を前提としますが、どこに重点を置いて説明するかは設問ごとに異なります。文章内容をきちんと読み取ることはもちろんとして、設問意図にも鋭く反応できるようにすることが開成高の国語のポイントだと言えます。

③『新花摘』

江戸時代の俳人・与謝蕪村による文章からの出題です。ストーリー性が高いため読みやすさはありますが、全3問の記述では何をどこまで説明するのかを慎重に見極めていく必要がありました。問3では2017年や2020年にも見られた俳句の解釈が求められましたが、問1→問2→問3と設問の流れにきちんと乗ることができれば、高得点を狙うことも十分に可能です。

理科

①電流、磁界(物理)

電磁誘導に関して、与えられた条件をふまえ、それぞれの実験の結果を推定する問題でした。難度は高くないものの、細かい条件を見落とすと、取りこぼす可能性がある問題が並んでいて、注意深く対応する必要がありました。

②イオン、中和(化学)

見慣れない題材を取り上げ、前半は基礎的な知識を確認する問題、後半は与えられた文をもとに、グラフを読み取る問題や基礎レベルの計算問題でした。グラフを読み取る問題では、短文の記述も求められました。記述の制限文字数が少ないため、書くべき内容を見極められるかどうか、コンパクトにまとめられるかどうかがポイントでした。後半部分では、思考力・記述力が求められました。

③遺伝(生物)

主に遺伝に関する基礎知識の確認と、メンデルの法則に関する計算問題でした。後半の問題はエンドウの「さや」の遺伝を扱った内容でした。典型的ではないものの、さまざまな学校の入試問題で演習を重ねてきた受験生であれば、解きやすかったことでしょう。取りこぼしを最小限に抑えたい大問です。

④火山、岩石(地学)

火山をテーマに、マグマや岩石の知識や、一部、天気、天体、気圧の内容を扱うなど、地学分野の総合問題でした。知識を確認する問題は基礎的な内容でしたが、それ以外は与えられた条件から計算処理するものや、文章を読み解き、知識をもとに考察していくもので、思考力が求められました。

社会

①地理総合

世界地理・日本地理の総合問題でした。詳細な知識を問われるようなものは少なく、世界地図や地形図、雨温図など地理を学習するうえで日常的に用いられる資料を正しく読み取ることができているかどうかを問われるものが大半でした。正確に資料を読み取る練習を積んできた受験生であれば、知識量の不足を十分にカバーできたと思われます。環境・エネルギーに関する大半の問題は、さまざまな学校の入試問題で出題例がみられるので、確実に得点したいところです。

②歴史総合

東北・北海道地方に関する年表を題材とする総合問題でした。蝦夷や琉球との関わりや、日中関係・日朝関係を題材としたものは過去にも多く出題されていて、2022年もこの傾向が踏襲されました。一見して過去に出された問題と形式が類似しているものがあったため、過去の入試問題を演習して傾向を理解していた受験生にとっては、安心して解き進めることができた大問でした。

③公民総合

2021年の出来事を題材とするもので、例年の傾向通り、時事と公民の基本的な知識の結びつきを確認するものが多く出題されました。問題文を注意深く読み取ったり、出題の意図をくみ取ったりしなければ得点できないものも含まれていて、すべての大問の中で最も得点差がつきやすいものでした。特に最後の障害に関する長文を題材とした問題は、この大問を象徴するものであり、形式的にも開成高では出題例が少ないため、出題の意図をくみ取って冷静に対応する必要がありました。

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