筑波大学附属駒場高等学校 2022年出題傾向リサーチ
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筑波大学附属駒場高等学校 2022年出題傾向リサーチ

高校受験 SAPIX中学部

英語

①リスニング問題:小問数7

例年通り、問1と問2に分かれていて、問1は短い英文の書き取りが2問、問2は物語文の内容に関して、英語の質問に日本語で答える問題が4問、選択肢から記号を選んで答える問題が1問の組み合わせでした。問2の放送は1回のみです。

②物語文の読解(約940語):小問数9

恥ずかしがり屋で、女性と上手く接することができない男性に関する物語文でした。本文を読み進める際に、事実と男性の想像の部分を区別する必要がありました。下線部の意味を記述する問1は、基本的な単語の意味を、本文の内容をふまえて意訳することが求められる難問でした。問7は、物語の情景をイメージしたうえで、少ない字数で結末の「滑稽さ」を説明する力が試されました。

③物語文の読解(約650語):小問数7

対照的な性格を持つ兄弟の半生を描いた物語文でした。本文自体に読みにくさはありませんが、下線部の理由を日本語で記述する問5は、兄が怒った理由について、それまでの経緯をふまえて説明する必要がありました。また、下線部の具体的な内容を日本語で記述する問6は、40字以内という字数制限の中で、複数の要素をまとめる問題でした。

④自由英作文:小問数1

学校で出される長期休暇向けの宿題に対して、反対の立場で理由を述べる自由英作文で、語数は40語以上50語以内でした。自由英作文は筑駒高で毎年出されていますが、同じ意見に関して理由を2つ述べる形式は3年ぶりの出題でした。テーマ自体は取り組みやすいものでしたが、頭に浮かんだ内容を素早く正しい英文で書き表すには、普段から演習を積み重ねておく必要があり、差がついたと思われます。

数学

①二次関数

例年通り二次関数の問題で、放物線上にできる三角形について考える問題でした。最後の五角形の面積を求める問題は、問題の流れを的確に掴むことができれば短時間で処理することも可能です。ただし、設問の意図を考えることにこだわらずに、多少の手間はかかっても確実に正解しておきたい問題でした。

②約分できる分数

222が分母の、約分できる分数について考える問題でした。この問題の主なテーマについて類題を解いたことはあるはずですが、問題の見せ方が工夫されていたため、考え方を導き出すのに時間がかかった受験生は少なくないと思われます。

③正三角形と合同

複数の正三角形と、それに伴って発生する合同な三角形を活用する問題でした。頻出のテーマでしたが、類題を解いた経験の有無で処理する時間に差がついたと思われます。

④立方体と正八面体の重なり

立方体と正八面体の共通部分に関して考察する問題でした。設定の読み取りに多少時間はかかるものの、解法に悩むことはなかったはずです。計算ミスに注意しつつ、完答を目指したい大問でした。

国語

①宮野真生子の文章

ガンの告知を受けた哲学者による、人生や死についての考えを述べた文章からの出題でした。2021年は論説文と古文の2題構成でしたが、2022年は従来の3題構成に戻りました。2020年以前の3題構成に比べて各文章が長く、記述解答欄も大きめの問題が多かったため、短い時間内で手早く読解・記述することが必要でした。設問は字数制限のない記述4問で、哲学的考察を読み取る問題が含まれ、高度な読解力が要求されました。また、3年ぶりに漢字の書き取りが4問出されましたが、標準的な難度のものが中心でした。

②乗代雄介『旅する練習』

サッカーに夢中の少女と小説家の叔父との会話を中心とした小説文からの出題でした。過去に度々出題された古めの文学的文章とは異なる、近年発表された読みやすい印象の文章ですが、なにげない会話が2人の生き方と重なっていくところを丁寧に読み取る必要がありました。設問は字数制限のない記述が4問で、いずれも問い方は標準的なものですが、書くべき内容の判断やまとめ方が難しいものもあり、苦戦した受験生が多かったと思われます。

③『増鏡』

歴史物語『増鏡』の、後鳥羽上皇に仕えた歌人の宮内卿についての文章からの出題でした。2021年、2020年の古文は内容の読み取りが難しく、和歌の解釈も求められる難問でしたが、2022年は比較的読みやすく、高得点の狙える大問だったと言えます。設問は例年出される仮名遣いが1問、傍線部解釈の選択が1問、記述が2問でした。和歌の内容は直接問われなかったため、話の大意をきちんと掴めたかどうかで差がついたと思われます。

理科

①天体、地質、天気(地学)

地学に関する小問集合です。地学分野は細かい知識を要求されることが多い傾向ですが、2022年は基礎レベルの問題が多く、高得点が狙える大問でした。

②中和(化学)

中和に関する計算問題です。典型的な形式の問題で、例年よりも計算量が少なく、条件も複雑ではないため、取り組みやすい内容でした。

③化学電池(化学)

新学習指導要領に追加されたダニエル電池のしくみについての出題です。内容は基礎的なものでした。

④運動(物理)

主に記録タイマーの記録の処理方法に関する計算問題です。その場で条件としくみを理解し、考察する問題が中心でした。見慣れない観点からの出題で、条件の分析や、立式に時間を要したと思われます。分析力・思考力を求められ、ほかの大問に比べて難度が高く、差がついたと考えられます。

⑤細胞(生物)

細胞分裂の知識を確認する問題です。1は、あてはまる選択肢をすべて選ぶ形式の問題ですが、内容は基礎的でした。また、2も典型問題なので、この大問での失点は避けたいところです。

⑥生態系(生物)

生態系について、文章を読み解いて、考察、推定していく問題です。慎重に読み解く必要がありましたが、例年に比べて判断に迷う選択肢が少なく、解きやすかったと思われます。

社会

①地理・歴史総合問題

気候変動とそれに伴う異常気象に関する文章をテーマとした出題でした。選択肢の正誤を判断する問題は、正しくないものを2つ選ぶ形式が中心です。2つある解答のうち1つは比較的容易に判断できるものの、もう1つを判断するには残った選択肢を慎重に吟味する必要がありました。統計を用いた問題は基本的な知識で解答できるため、確実に得点したいところです。

②歴史総合問題

感染症に関する文章をテーマとした出題でした。例年の傾向通り、年代の判定と正誤の判断を高いレベルで求められるもので、すべて選ぶ形式が2問含まれていたこともあり、ほかの大問と比較しても難度が高めでした。特定の時代で感染症が拡大した要因を解答する記述問題は、歴史の流れを整理したうえで、解答のポイントを絞って指定字数内でまとめなければならない難度の高いものでした。

③公民総合問題

法制度と経済原理の観点から公正取引を考察する文章をテーマとした出題でした。知識量だけに頼らず、問題文を丁寧に読み進め、多角的な視点で解答を吟味しなければ正答できない筑駒高らしい問題でした。

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