
早稲田実業学校高等部 2022年出題傾向リサーチ
英語

A 同意文完成
小問数3基本的な書きかえの知識が問われています。
B 適語句選択
小問数5短い英文の空所に適語句を補う問題です。どれも頻出の文法問題です。
C 誤文選択:小問数3
2021年の英文中の誤っている箇所を選び訂正する形式から、2020年以前の誤りを含む文を3つ選ぶ形式に戻りました。
D 並べかえ英作文:小問数3
日本語の意味が与えられていない並べかえ英作文です。正確な熟語の知識が求められました。
E 和文英訳:小問数2
下線部の日本語を英訳する、早実高で頻出の形式です。仮定法の知識を問うものもありました。
F 説明文の読解(約540語):小問数10
5つの短い英文を読み、それぞれの内容に関する問題に答える、例年にはない出題形式です。
G 説明文の読解(約360語):小問数9
3Dプリンターに関する説明文です。問2や問3のような指示語の内容を解答する問題は頻出で、正確に内容を把握する必要があります。
H 説明文の読解(約790語):小問数11
色が人間に与える影響について述べた説明文です。2つの英文を読み、各選択肢がそれぞれの文章の内容に合致しているかどうかを答える、例年にはない出題形式です。選択肢の日本文が10あり、それを2つの文章と照らし合わせて判断する正確さと速読力が要求されています。
I リスニング問題:小問数16
試験開始53分後からの実施でした。放送問題Ⅳでは、あるプレゼンを聞き、選択肢から内容に適したグラフやイラストを答える問題が出されていました。

数学

①小問集合
(1)根号を含む計算、(2)比例・反比例、(3)円と角度、(4)円と面積からなる小問集合でした。どれも手早く正確に解ききりたい問題でした。
②文章題、資料の整理
(1)は2地点間を車と徒歩で移動する「時間・距離・速さ」に関する文章題で、計算過程を記す必要がありました。典型的な問題なので、類題を解いた経験があると思われます。(2)は箱ひげ図の問題です。あまり解き慣れていない受験生も多かったと思われますが、難度は高くないので正解しておきたいところです。
③二次関数
放物線と交わる直線が作る三角形の面積についての問題でした。基本的な内容ですが、(3)は解答の数値に自信が持てない受験生もいたことでしょう。丁寧に処理することで完答を目指したい問題でした。
④場合の数
線分で区切られた円を複数の色で塗り分ける場合の数についての問題でした。円を回転させて同じになる場合を二重に数えてはいけないので、注意深さが必要となりました。完答は難しかったと思われますが、(1)(2)は正解を目指したいところです。
⑤立体図形
立方体を複数の方向からくり抜いたときに残る立体の体積を求める問題でした。くり抜かれる立体の共通部分を正確に把握する必要があり、慎重に取り組みたい問題でした。

国語

①阿部知二『地図』
空想の地図づくりで遊ぶ少年の内面的成長を描いた小説文です。文章量は2021年までと同程度ですが、具体的な事物についての説明が多く、受験生にとっては読みにくさを感じやすいものだったと言えます。設問はすべて記号選択形式でしたが、判断に迷うものも含まれていたため時間配分に注意しながら取り組む必要のある大問でした。2021年に出されていた要約文の空欄を補充する問題は出されず、設問数は18問から7問に減少していますが、内容合致問題が出されていたため、文章全体を正確に把握することが求められました。
②藤田政博『バイアスとは何か』
物事を現実とは異なるゆがんだ形で認識してしまう現象であるバイアスについて説明した文章です。制限字数25字の記述が2問と60字の記述が1問出されていて、ここが大問2攻略の鍵でした。また、これらの記述では使うべき語句が指定されているので、書くべきポイントをしっかりと意識して解答する必要がありました。漢字の書き取りが3問出されていますが、いずれも標準的な難度なので失点は避けたいところです。
③『十訓抄』
鎌倉時代の説話集からの出題です。和歌における信仰という、受験生にとってなじみの薄い内容の文章だったため、注釈をヒントにしながら読み進める必要がありました。設問はすべて記号選択形式でしたが、その中には判断に迷うものも複数含まれていたので、細部の理解ができていないと得点には結びつきません。また、例年とは異なる形式の設問として、文章と別の出典からの引用文を関連づけて答える必要のあるものも出されました。
