高校受験 SAPIX中学部
【2022年 高校入試展望】森上教育研究所・高校進路研究会代表 佐藤先生に聞く
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【2022年 高校入試展望】森上教育研究所・高校進路研究会代表 佐藤先生に聞く

高校受験 SAPIX中学部

新型コロナウイルス感染症の影響を受け、例年とは大きく異なる状況の下での受験を強いられた今年の高校入試。まだ安心はできないものの、学校生活や学習環境も落ち着きを取り戻しつつあるなか、2022年の高校受験はどのような戦いとなるのでしょうか。模試データの分析などを基に、森上教育研究所・高校進路研究会代表の佐藤潤平先生に2022年高校入試の展望を伺いました。

※取材は2021年10月26日に行いました。
※この記事は、2021年12月1日に刊行されたSAPIX中学部の受験情報誌『スクエア』210号に掲載された記事をnote用に再編集したものです。

森上教育研究所所長・森上展安先生(右)
高校進路研究会代表・佐藤潤平先生(左)


早慶の志願者が増加 都立上位校は堅調も一定数が附属校へ

――高校入試全体を俯瞰して、何か目立った動きはありますか。
模試データを見る限り、早慶校の志願者が大幅に増えそうです。長らく附属校人気が続いていたなかで、コロナの影響などもあり、今春はひとまず落ち着きました。その〝揺り戻し〞もあってか、来年はかなりの志願者を集めそうです。

――公立はいかがですか。
中学卒業予定者の増加を受け、定員を増やす学校もあり、全体として見れば、受験倍率は低下しそうです。人気の高い難関校は堅調とはいえ、日比谷のほか、西、新宿、また特に神奈川や埼玉の難関校の第一志望者数が少し減っているようです。従来であれば、それらの学校を志望していた受験生の一定数が早慶、MARCHへ動いているように見えます。

――2022年入試において、気を付けるべき変更点などがあれば教えください。
まずは募集停止校の影響です。今年の都立武蔵、富士に続き、両国、大泉が完全中高一貫化。私立では豊島岡女子が高校募集を停止します。これらの学校と、地域・学力レベルが近い学校へ、受験生が流れる可能性があります。
一方、都立でいうと、立川が「創造理数科」を新設します。定員は多くはありませんが、普通科と併願可能で、理数系が得意な生徒が集まるかもしれません。早実の一般入試の募集定員が120名から80名に減ったのも、人気校だけに、影響を及ぼしそうです。

――都立では男女別定員制が緩和されます。
これまでも一部の学校で導入されていた緩和措置が全校で実施されます。定員の1割を性別に関係なく得点順で合格者を決め、男女の合格点の差を是正するというものです。都立高校全体では女子の合格者が増え、男子の合格者が減るものと思われますが、個々の学校を見ていくと、それぞれに志願状況等が異なりますので、必ずしも同様のことが起こるとは言えません。

コロナの影響を大きく受けた今年 予想される「隔年現象」に注意

――早慶、MARCHが人気を集める背景について教えてください。
まず、「隔年現象」があります。人気校は、志願者が増えた翌年は難化を嫌って志願者が減り、逆に減った学校は、翌年増える傾向があります。今春、早慶は慶應女子を除いて志願者が減ったので、その〝揺り戻し〞が考えられます。
一方で、新型コロナウイルス感染症の影響の反動もあるでしょう。今年は、休校による影響や入試問題の出題範囲への不安などから特にチャレンジ層に「安定志向」が働いたようでした。同時に、遠距離通学を回避する「地元志向」が見られました。そうした新型コロナウイルス感染症の影響が落ち着きそうなこと、加えてコロナ禍における私立校の学習対応への評価も人気の背景の一つとしてあるかもしれません。

――志願者層に特徴や傾向などは見られますか。
第一志望層、チャレンジ層を問わず幅広く支持を集めています。大学受験にとらわれない教育内容に多くの方が魅力を感じているということではないでしょうか。男女別に見ると、男子は慶應、中央、明治、女子は早慶、青学、中央、ICUなどに人気が集まっています。また、男女ともMARCHへのチャレンジ層が特に伸びています。これまでであれば、都立の中上位校を目指していた層が、MARCHを意識しているようです。

――公立校はどうですか。
今春は、都立駒場などの進学指導特別推進校、横浜翠嵐など神奈川の学力向上進学重点校が特に人気を集めました。来年は大学附属校人気の裏返しで難関公立校の出願者数が減ることが予想されます。模試データを個別に見ると、都立の男子は日比谷、国立、立川の第一志望が微増で、戸山、西、新宿が減少しています。これに対して、千葉と埼玉の上位校は安定していますが、神奈川は上位校の志望者が大学附属校や都内の私立進学校に流れているようです。

学力上位層の女子は激戦の様相 力を発揮できるようしっかり準備を

――国立はいかがですか。
男子では筑駒、筑附の第一志望の割合がやや減っていますが、難度は変わらないと思います。開成や早慶、日比谷などを含め、最難関校を目指す学力最上位層は常に一定数おり、隔年現象や新型コロナウイルス感染症など外的要因にほとんど左右されません。倍率が多少変動したところで難度は変わらないものと考えるべきです。
女子のお茶の水女子大附や筑附は微増です。先に述べた豊島岡女子の高校募集停止の影響もあるかもしれません。同校の志願者層が一定程度、お茶の水女子大附や筑附に流れている可能性があります。

――その他の進学校や人気になりそうな学校について教えてください。
難関校では、今年減らした反動か、渋谷幕張が人気を集めそうです。男子では巣鴨、城北、女子では淑徳与野など、近年、教育内容や進学実績が評価されている学校は安定しています。

――改めて、2022年入試で特に気になる点はありますか。
繰り返しになりますが、8月までのデータの上では早慶を第一志望とする生徒が非常に多く、本番ではもう少し落ち着くとは思われるものの、激戦になりそうです。特に学力上位層の女子は、ただでさえ狙える学校が限られている上に、豊島岡女子の募集停止、早実の募集定員減もあり、ますます厳しい戦いになるでしょう。

――最後に、受験生へアドバイスをお願いします。
今春の入試では、出題範囲に変更があった学校が少なくありませんでした。過去問を解く際には、その点に気を付けてください。また、実力を遺憾なく発揮するには、体調管理をしっかりとして心身ともに不安のない状態で本番に臨むことが大切だと思います。もし新型コロナウイルス感染症が再度拡大した場合は、入試要項の変更や新たな対応がなされることも考えられます。志望校のホームページを定期的にチェックするなど、小まめに情報収集することをお勧めします。

森上展安先生からの保護者の方へメッセージ

中学3 年生といえば、子どもから大人へと成長する時期です。与えられた環境に甘んじることなく、自分の考えを主張するようになります。高校受験への取り組みを通じて、お子さまの成長を感じておられる方も多いことでしょう。もちろん合否は大切ですが、たとえ失敗を経験することになっても、それを成長の糧にする強さを持つことが、受験に勝利するということだと思います。



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