筑波大学附属駒場高校 2021年出題傾向リサーチ
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筑波大学附属駒場高校 2021年出題傾向リサーチ

英語

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①リスニング問題:小問数7
例年通り、問1は短文の書き取りが2問、問2は物語文に関する英語の質問に日本語で答える問題が4問、選択肢から答える問題が1問の組み合わせでした。問2は1回しか放送されないため注意が必要です。
②物語文の読解(約865語):小問数8
大好きな祖父を家から追い出した父に反発を覚える少年を主人公とする物語文でした。例年のような複雑さはなく、物語の全体像を把握するのにさほど苦労はしないと思われます。一方で、普段文章を読む時に、理解があいまいなまま先に進んでしまうような箇所が多く問われていた印象です。問2、4、7などはまさにそのような問題で、普段から文章をイメージしながら深く読む習慣があるかどうかが試されています。
③物語文の読解(約635語):小問数7
トルコを旅行した夫婦を主人公とする物語文でした。大問2と同様に、複雑な要素はさほどなく、物語の伏線はわかりやすかったと思われます。一方で、限りある時間の中で解くには難しい問題もありました。周囲に書かれている情報から下線部がどのような人物かを推測する問5、本文中の表現を参考にしなければならない問6、設問のポイントを理解し、該当箇所を本文中から探すのに苦労しそうな問7は難問でした。
④自由英作文:小問数1
自分自身の英語学習の体験と、英語学習についての考えを40 語以上50 語以内で書く自由英作文でした。内容面での条件が2つあり、一見すると書きやすそうに思える問題です。一方で、思いつくことが多い分、その中から素早く英語にできるものを選択できたかどうかで、所要時間も含めて差がついたと思われます。

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数学

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①二次関数
例年通りの問題です。2021 年は平行線と線分比を利用する問題でした。筑駒高の受験生であれば、類題演習の経験があったはずです。問題文の読み違えに注意しながら、完答を目指したい大問でした。
②累乗した数の桁数
累乗した数の桁数について考察する問題です。有効数字を取って手早く計算していきたいところです。ただ、設問ごとに基準となる累乗した数の計算結果が与えられているため、地道な計算処理で解答することも可能でした。(2)(ア)以外は正解したいところです。ちなみに、2010 年の筑駒高でも本問によく似た設定の出題がありました。
③15°の直角三角形の活用
直角三角形を活用し、面積を求めていく問題でした。(1) がその後の設問のヒントになっています。これを上手く活用して、計算ミスに注意しながら(2)(ア)(イ)ともに正解したい問題でした。
④球と四面体
四面体のすべての辺に接する球について考える問題でした。(2) は類題を解いたことはあると思われますが、必要な平面を取り出して球との関係を正確に把握することが必要でした。勘違いや計算ミスなどで、(ア)(イ)ともに完答するのは容易ではないでしょう。

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国語

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①村田沙耶香『多様性ってなんだ?』
筑駒高の国語は説明的文章、文学的文章、古文の3題構成が続いていましたが、2021 年は説明的文章、古文の2題構成に変更されました。大問1は「個性」や「多様性」について論じた随筆文で、設問はすべて記述問題です。文章量や記述量は、いずれも2020 年の現代文2題分を合わせたものと同程度でした。ほぼすべての設問で、対比構造を意識しながら傍線部やその前後の内容を分析し、自分の言葉を補いながら設問の要求に即した解答を作成することが求められています。加えて、傍線部から離れた場所にまで目配りをしなければならない設問もあり、1題としての文章量が増えた分、答えの根拠を探すのに時間を取られた受験生が多かったと思われます。総じて、極端な難問はなかったものの、解答作成の丁寧さで点差がつきやすい設問構成となっていて、筑駒高らしさを感じさせる出題でした。
②『枕草子』
平安時代中期に成立した随筆文からの出題で、筆者と子どもたちとのやりとりが述べられています。約5行の短い文章ですが、主語の省略が多く、読みにくさがあります。しかし、注釈も豊富に付けられていたため、その内容をしっかりと捉えて文章の大意を理解することは十分に可能だったはずです。2つある記述のうちの1つは、傍線部直前の内容をふまえて解答するもので、筑駒高受験者であれば対応したい難度でした。もう1問では、文章前半の筆者と子どもたちのやりとりをふまえながら、掛詞を含んだ和歌を解釈することが要求されていて、高難度でした。この2問のほかに、例年同様、歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに直す設問も出されました。

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理科

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①化学変化(化学)
主に酸化に関する計算問題でした。題材や実験装置は見慣れないものですが、設問自体は典型的なものでした。計算ミスをしないように慎重に解き進める必要がありました。
②水溶液(化学)
身近なものを題材にして、体積パーセント濃度と質量パーセント濃度の違いについて、主に文章の空欄を埋めていく形式でした。問題の誘導にしたがって正確に計算していく必要がありました。この大問は差がつきやすかったと思われます。
③地質、天体、天気(地学)
地学分野の幅広い範囲について、知識を確認する問題でした。判断に迷う選択肢や、深い知識が要求される設問があり、全体的に難度が高い大問でした。
④浮力、光(物理)
前半は浮力に関して、与えられた条件を元に考察していく問題で、思考力を要する内容でした。近年の筑駒高の物理の傾向である、計算よりも理解に重心を置いた形式になっていました。後半は、光の屈折に関する問題で、似たテーマが過去にも扱われているため、比較的対応しやすかったと思われます。
⑤遺伝(生物)
遺伝に関して、文章を読み解いて考える問題でした。1、2は典型的な内容でした。一方、3は文章の内容から起こりうる可能性を検討する必要があり、慎重な対応が求められました。
⑥人体(生物)
心臓に関する基礎知識と、血液を送り出す過程について理解度を確認する問題でした。2は見慣れない問題ですが、図を見れば判断できるので、難度は高くありません。この大問での取りこぼしは避けたいところです。

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社会

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①地理・歴史総合問題
日本における在留外国人に関する3つの統計表とチャイナタウン形成に関する文章をテーマとした出題でした。解答する選択肢の数が指定されているものが多く、1つ1つの設問を慎重に吟味していけば得点できるものがほとんどでした。
②歴史総合問題
手話や聾教育に関する文章をテーマとした出題でした。年代を問うものが多く、歴史の流れや人物が活躍した時期を正確に把握している必要がありました。また、限られた時間で効率的に解答していくためには本文を整理しながら読むといった、過去の入試傾向を理解したうえでの工夫が必要でした。
③公民総合問題
予算や法律の制定に関する文章をテーマとした出題でした。50 字程度で記述する問題は知識と字数内にまとめる力の両方が試されるものでした。また、選択肢の表現がやや難解で、その内容を読み解くための読解力が求められるものや1つのテーマを深く掘り下げて問うものもあり、全体的に難度の高い大問でした。

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