[受験歳時記]第64回「特製シロップ」
カバーガラス「大した傷じゃないんだけど」
「いやいや、1000分の1ミリの傷でも油断できませんよ」
これは外科病院ではなく、スマホ・ショップの前を通り過ぎざま、店先から聞こえてきた客と店員の会話である。割れにくいガラスを作るため、専門の研究所では毎日、スマホの落下実験を行っている。アスファルトの上にさまざまな高さから落として割るスマホのガラスは、約10年間でおよそ1万枚という記事もあった。昔は1ミリだったガラスの厚みも、今ではその半分、1円玉の半分以下の薄さが求められるとい